コラム
250ccクラス用マフラーもアールズ・ギア クオリティで!
2021.08.20
STORY18
STORY17で書いたスクーター用マフラーに加え、最近は250ccクラスのスポーツバイク用のラインナップも増えている。
これはもちろん、マーケットでも250ccクラスの人気が上がっていて、販売台数も伸びて、多くの人がこのクラスのバイクに乗るようになったから。
また、樋渡的には、このクラスのギヤ付きのスポーツバイクに乗るライダーは、将来的にビッグバイクにステップアップして、アールズ・ギアブランドのコアなお客様になってくださる可能性も高いため、まずはいま乗っている250ccバイクでアールズ・ギアの商品に接してもらいたいという気持ちもあるそうだ。
実際、250cc用のマフラーをリリースする前は「アールズ・ギアというメーカーがあることはまったく知らなかった」というライダーがかなりいるのだという。ビッグバイク用が中心の商品ラインナップのために、250ccクラスのバイクに乗るライダーにはアールズ・ギアというメーカー、ブランドは目に入らない無縁のものだったのだろう。
面白いエピソードがあって、あるとき250ccバイクに乗る若いライダーが知り合いからアールズ・ギアのことを聞いて会社を訪ねてきた
その若いライダーは、アールズ・ギアのマフラーが装着されたデモ車を見て、その美しい仕上がりに感動。その場で購入を決めたという。
そのライダーが言うには、有名メーカーのマフラーはずいぶん調べていたけれど、こんなにキレイで、細部までこだわって作り込んでいるマフラーは見たことがなかったし、だいたいアールズ・ギアというメーカーも知らなかったとのこと。
このエピソードが語るように、250ccクラスのパーツを作るようにしたことで、アールズ・ギアの商品の購買層がグググっと広がっているのは間違いない。
250cc用パーツも作り方はビッグバイクとまったく同じ
このクラスのマフラーも、スクーター用マフラーと同様、ビッグバイク用マフラーと作り方は何ひとつ変わらないと樋渡は言う。
樋渡自身が試乗テストを繰り返して、確実にトルクアップして、全域スムーズな特性に仕上げる。もちろん、排気サウンドも法律の範囲内でできるだけエキサイティングなものにする。
各部のつくり、とくに溶接や削り出しパーツのクオリティにはとことんこだわり、アールズ・ギアのマフラーを付けていることを誇りに思ってもらえるような商品に仕上がる。
ただ、ここでネックになるのが商品の価格だ。
スクーターの稿でも書いたが、ビッグバイクと比べると250ccクラスの車両は価格が安い(カワサキのNinja ZX-25Rは93万5000円とビッグバイク並みの価格だが)。それゆえ、アールズ・ギアのパーツの価格設定も車両価格に準じたものにする必要がある。
とはいえ、アールズ・ギアが発売する以上、これまで培ってきたブランドバリューを下げるようなモノは絶対に作ることはできないと樋渡は言う。
したがって、こだわるべきところはしっかりこだわり、たとえばビッグバイク用だとチタンを使用する部分にステンレスを使用することで、性能・クオリティは同等にしながら価格を抑えるような工夫を行っているという。
また、250ccクラスのバイク用パーツを作るようになったことで副産物的なものも生まれた。これまで以上に効率的に製造して、量産性をアップして、結果的にコストを抑えるということをより真剣に考えるようになったのだそうだ。
対象クラスの幅を広げることで、アールズ・ギアのパーツメーカーとしての守備範囲も大きく広がっているのである。
意外なことに、250ccクラスのマフラーでもっとも売れているのはホンダ・Rebel250用だ。ハイパフォーマンスがセールスポイントでもあるアールズ・ギアのワイバンシリーズマフラーとは、あまり縁がなさそうなバイクなのだが、ここでも「ずっと憧れていて、ワイバンマフラーが付けたかった。Rebel用を出してくれてありがとう」という声が多数寄せられているそうだ。
今後もこのクラスのラインナップは拡充する予定だが、やはりモチはモチ屋でこのクラスのパーツに非常に強いメーカーも存在する。それらのメーカーと同じ土俵で戦うつもりはないし、前述のようにアールズ・ギアのブランドで発売する以上、譲れないクオリティが確固として存在する。
「ウチがこのクラスのマフラーも作っていることが、口コミでジワジワと広がっていってくれればいい」
樋渡が言うように、クラスを問わず、アールズ・ギアらしいものつくりに納得、共感してくれるライダーに選んでもらえることを考えていくことが何よりも大切なのである。
<STORY19に続く>