コラム

「Racing Concept」ブランドを立ちげました!

2021.08.27

STORY19

先日発売された、カワサキ・ZX-25R用のサイレンサーステーですが、これもアールズ・ギアならではのこだわりが詰まった逸品です。

ZX-25Rは、いわゆるレプリカスタイルのスーパースポーツモデルだけに、サーキットでのスポーツ走行を楽しんだり、レースに出る方もいらっしゃって、最初からタンデムステップはいらないというオーナーも多いそうです。

そこで、STDのタンデムステップを取り外して、このサイレンサーステーを取付けてサイレンサーを固定すると、とてもすっきりしたリヤ周りに早変わりするのです。

↑左がNinja ZX-25R(20〜)/SE/SE KRT EDITION リアルスペック フルエキゾースト マフラー。コンパクトなサイレンサーをタンデムステップホルダーに固定する方式。右のSTDのマフラーは、サイレンサーがカウル直後で終わってしまうイマドキのスタイルとなっている。樋渡的には、やはりサイレンサーの存在感があるマフラーのほうがバイクらしいと思うとのこと

さらにこのステーの優れているところ、こだわって作られているところは、アールズ・ギア以外のマフラーのサイレンサーにも対応しているところです。

この商品が生まれたきっかけは、お客様からこういうサイレンサステーを作って欲しいという要望があり、どんなものを作ろうかと参考までに代表の樋渡がインターネットで検索していたら、アールズ・ギアのZX-25R用マフラーを他メーカーのサイレンサーステーで固定していて、そのステーに取付けられたサイレンサーを留めるバンドがちょうどアールズ・ギアのエンブレムを隠してしまっているのを目撃しました。

せっかくの自社エンブレムが隠れてしまうのはあまり気分のいいものではないため、タンデムステップを取り外してアールズ・ギアのマフラーを固定できるステー(もちろん、エンブレムが隠れないもの)を作ろう、そして、どうせなら他メーカーのマフラーにも対応できるように可動式にしようと思ったそうです。

このサイレンサーステーは、車体にステーを固定するベースプレートと、ベースプレートに2本のボルトで装着するメインプレート(これがサイレンサーを固定するステーになります)のふたつのパーツで構成されています。

STDのタンデムステップを外したのちに、シートレールにベースプレートを固定。そのベースプレートに2本のボルトで留められているメインプレートは最大で左右50㎜の可動式で、STDのタンデムステップの位置よりもサイレンサーが後方に伸びている他社製のマフラーならほとんど対応できるものになっています。

メインプレートをポリッシュ仕上げにしたサイレンサーステー。価格は1万1000円(税込)

↑RS GEARとRacing Conceptのロゴが印象的なブラックアルマイトバージョンも価格は1万1000円(税込)

↑ベースプレートに2本のボルトで留められたメインプレートが、最大で50㎜左右にスライドする

便利なアイデア商品でもありますが、そこはアールズ・ギア製ですから高強度の特殊アルミ合金を採用して、緻密なマシニング加工により製作されているため軽量かつ高剛性。見た目も美しく仕上がっています。

Racing Conceptブランドのバックステップなども開発予定

そして、注目したいのはメインプレートに入っている「Racing Concept」というロゴマーク。

これは、いまから10年以上前になりますが、リッタークラスのスーパースポーツが人気だった当時、ホンダ・CBR1000RRやスズキ・GSX-R1000といったモデル用のマフラーなどもアールズ・ギアはラインナップしていました。

時代は流れ、大型スーパースポーツ用マフラーをラインナップすることも徐々になくなっていましたが、ZX-25Rのようなモデルが登場したことで、スーパースポーツモデルに対応する商品ラインナップも拡充することにして、今後はこのブランドで、アルミ削り出しのバックステップなどもリリースしていく計画です。

以前、このコラムに書いたように、アールズ・ギアの工場には2台のマシニングセンタがあり、高品位なビレットパーツを製作していますが、最近、新たな専任スタッフを増強して、生産力を大幅に強化。今後は今まで以上にビレットパーツに力を入れていき、とくに国産モデル用のラインナップを増やしていきたいといいます。

TONE RACINGにレース用マフラーをサポートしています

「Racing Concept」という言葉で思いついたことがひとつあります。一流レーシングライダーだった樋渡が代表を務めるアールズ・ギアなのに、レース用パーツはまったくラインナップしていないのはちょっと不思議な感じがしませんか?

レースでビジネスをするつもりはないからと樋渡は言いますが、実は現在もレース用のマフラーを製作して、レーシングチームをサポートしています。それがBMW・S1000RRで全日本選手権ロードレースのJSB1000・STクラスにエントリーしている「TONE RT SYNCEDGE4413 BMW」チームで、2019年の鈴鹿8耐ではクラス優勝を遂げるほどの実力を誇りますが、チームの2台のマシンにはアールズ・ギアのマフラー(もちろん、ワンオフのレース仕様)が装着されているのです。

↑全日本選手権JSB1000のSTクラスにエントリー中のTONE RT SYNCEDGE4413 BMWチーム。アールズ・ギアのマフラーが活躍をサポートしている

このマフラーを装着して以来、TONE RTは順調にタイムアップし、成績も上昇(前述のように鈴鹿8耐にも優勝するほど)。BMWの定番レース用マフラーよりも好タイムが出るとチームからも大好評とのことです。

アールズ・ギアファン、そしてレース好きの方は、TONE RTのS1000RRにも注目してください!

<STORY20に続く>