コラム

BMWと出会い、年間2万㎞以上走るツーリングライダーになる

2021.06.04


STORY7

昨年こそ、新型コロナ感染症の影響で1万5000㎞くらいしか走れなかったというが、例年2万km以上走るほどの筋金入りのツーリングライダーである樋渡。

しかし、アールズ・ギアを始めてからしばらくは、もちろんバイクに乗ってはいたものの、主に開発テストで乗るくらい。ツーリングも、イベントなどにお客さんと一緒に行ったり、出店のために会場にデモ車を持っていったりする程度。走るのは楽しかったが、そこまでツーリングにはまるようなことはなかった。

そんな樋渡の転機となったのが、BMWディーラーからR1100RT用のマフラーを作って欲しいと依頼されたことだった。作るにあたって、まずBMWというのはどんなバイクか知らないといけないと、そのディーラーからバイクを借りて乗ってみた。

第一印象は、「変なバイク」。BMW特有の、空吹かしをすると車体が右に倒れそうになるトルクリアクションも異様だったし、少し乗っただけでは正直よくわからなかった。

そこで、そのディーラー主催の1泊2日のロングツーリングに同行してみた。すると、長距離を走ってもまったく疲れないし、ワインディングでは意外なほどにヒラヒラと走れてしまう。その一度のツーリングで樋渡は見事にBMWにはまってしまい、筋金入りのツーリングライダーになり、それ以降、愛車もBMWばかり選ぶようになった。

一方、BMW用のマフラーはというと、ほかのモデル用と同じように低速からトルクを出して、上まできれいに回り、ストレスなく走れるものに仕上がった。とはいえ、その当時のBMWユーザーでマフラーを換えている人はほとんどいなくて、誰も換えないんじゃないの? と樋渡も思っていたそうだ。ところが、あにはからんや、当時、BMW用マフラーは乗りにくくてうるさい海外製しかない状態で、多くのBMWユーザーが求めているものではなかったのだ。

そんななかに性能もしっかり出ていて、規制を確実にクリアする適正な音量のアールズ・ギア製マフラーが登場し、ジワジワとR1100RT用マフラーは売れていった。その後は、ご存知の通り、BMW用マフラー=アールズ・ギアと言っていいほどの定番商品となっていった。

樋渡のツーリング仲間のBMWユーザーは、これを付けたらもうやめられないと言って、バイクを買い替えるたびにアールズ・ギアのマフラーを購入してくれるほどで、そういうリピーターが多いのもBMW用マフラーの特徴だという。

1日中乗っても疲れないマフラー

↑これだけのBMW車用ラインナップを揃えているのは、国内メーカーでは間違いなくアールズ・ギアだけ。BMWユーザーの熱い支持を受けているのもうなづける

そして、ツーリングで長距離を走るようになって樋渡が学んだのが、疲れないエンジン特性と長時間聴いていても疲労感を覚えない心地よい音質が非常に大切だということだった。それまでも、規制をきっちりクリアするマフラーを製作していたが、音の質という部分まで踏み込んで作り込むようになったのはツーリングとBMWとの出会いがあったからだという。

BMWユーザーは1日で数百㎞のツーリングをする人が多い。元々、そういう素性を持つBMWであるが、アールズ・ギアのマフラーを装着すると、その素性がさらに強化され、しかも欲しいときに欲しいだけのパワーとトルクを発揮してくれるのだ。

また、たくさんのBMWユーザーと一緒に走ることで、一般ライダーはこういう走り方をするのだということも学んだ。BMWユーザーとはいえ、いつでもどこでもゆっくり走っているわけではなく、ワインディングに入るとペースを上げて走ることもある。そういう一般ライダーの乗り方を知ることで、どんなマフラーにすれば気持ちよく走れるのかということをさらに深く理解したという。

(STORY8に続く)