コラム

アールズ・ギア+TSRの「鈴鹿連合」で 世界耐久2年連続制覇を目指す!

2023.04.05


<STORY22>

SNSでお伝えしたように、昨年のFIM世界耐久選手権(以下、EWC)のチャンピオンチームであるF.C.C. TSR Honda Franceにアールズ・ギアがマフラーをサポートすることが正式に決定しました。

昨年、最終戦のル・マン24時間レースで4位に入り見事にチャンピオンシップを獲得したF.C.C. TSR Honda Franceチームですが、昨シーズンはマシントラブルが何度か発生。24時間という長丁場のレースが3戦含まれた昨年のEWCシリーズのレース中に何度もマフラーを交換する事態もあったとのこと。

そこで、F.C.C. TSR Honda Franceチームの藤井監督は、より信頼性の高いマシン作りを進める中で日本製のマフラーで戦いたいという思いを持ち、当社・アールズ・ギアのマフラーに白羽の矢を立ててくれました。

もともとアールズ・ギアとF.C.C. TSR Honda Franceの母体であるTSR(テクニカル・スポーツ・レーシング)はともに三重県の鈴鹿市が本拠地で、アールズ・ギア代表・樋渡と藤井監督は旧知の間柄。藤井監督はアールズ・ギアのマフラーの性能と信頼性の高さを認めてくれて、正式に採用が決定したときは非常に喜んでくれましたが、それだけにアールズ・ギアとしてはプレッシャーも感じています。

F.C.C. TSR Honda Franceのホンダ・CBR1000RR‐R Fireblade SPにアールズ・ギアのマフラーが装着した姿が初めて披露されたのは、3月5日に鈴鹿サーキットで開催された「モータースポーツファン感謝デー」でした。

この日はマシンの展示、トヨタの耐久レーシングマシン・GR010とのデモンストレーションランなどが行われ、ピットウォーク時に目ざといファンはアールズ・ギアのマフラーが装着されているのを発見してかなり話題になっていました。

アールズ・ギアのマフラーの代名詞である鮮やかなドラッグブルーを身にまとった多角形断面サイレンサーを採用したフルチタンマフラー。これほど美しいレーシングマフラーはほかにはないだろう。

シェイクダウン早々に好タイムを連発!

そして翌6日月曜日、2023年型F.C.C. TSR Honda France・CBR1000RR‐R Fireblade SPの本格的なシェイクダウンテストが鈴鹿サーキットで行われ、ジョシュ・フック選手が24時間耐久レース仕様のマシンで、スプリント仕様のJSBのトップチームのマシンと互角の速さを見せ、確認作業がメインの走行テストながらも2分6秒台後半の安定したタイムで走行を重ね、全体でも3番手のタイムをマークする満足のゆくテストになりました。

ライダーのジョシュ・フック選手はTSRのウェブサイトでこうコメントしています。

「今日は、新しくなったエキゾーストとスイングアームをテストするために、いくつか新しいパーツも装着されたんだ。アールズ・ギアのエキゾーストがいい感じでしょ! とてもいい仕事をこなしてくれて、これはボクらが望んでいることでもあったんだ。マシンのフィーリングもよかったし、それが一番重要なことだね」

シェイクダウンテストで非常にいい感触が得られたので、このマフラーをベースに製作を進め、その後に4月13〜16日にフランスのル・マン、ブガッティサーキットで開催される今年の初戦、「EWCル・マン24時間ロードレース」のために本番仕様のマフラーを製作。ヨーロッパへ発送しました。

このル・マン24時間を皮切りに、6月にスパ24時間、8月に鈴鹿8時間耐久、9月にボルドール24時間と計4戦で競われるEWCシリーズのF.C.C. TSR Honda France用マフラーは、エンジン性能を最大限発揮するために理想的なエキゾーストパイプサイズおよび特殊な構造を採用しながら空気抵抗を軽減するために可能な限りスリムに作られた狭いカウル内に収め、24時間連続走行という過酷な状況での使用に耐えうるエキゾーストパイプを実現するため、これまで培ってきた経験を基にトラブルにも強いマフラーに仕上げるよう、細部にわたり繊細に製作していきます。

本番の第1戦まで残された時間はあと1週間。アールズ・ギアにとっては新たな挑戦となるEWC耐久レース用マフラーのサポートは、アールズ・ギアのマフラーのポテンシャルがヨーロッパの多くのバイクファンにも認知されると同時に、F.C.C. TSR Honda Franceの力になれるよう努力していきます。

そして何より、アールズ・ギア+F.C.C. TSR Honda Franceチームの「鈴鹿連合」が、今年のEWC・世界耐久選手権のチャンピオンシップを獲得し、鈴鹿の地に凱旋することを願うばかりです!

■写真協力:テクニカル・スポーツ・レーシング

<STORY23に続く>