コラム

心地よい重低音サウンドと美しさを重視したカワサキ・Wシリーズ用ワイバンクラシックマフラー

2022.03.16

↑W800をベースとして、往年のMEGUROスタミナK1のデザインを見事に復刻したカワサキ・MEGURO K3。Wシリーズと同様のワイバンクラシック・フルエキゾーストマフラーを用意している

往年のカワサキの名車・Z1/Z2をオマージュしたZ900RSが2018年の発売以来、好調なセールスを記録し続けているが、カワサキのビッグバイクの歴史を作ったモデルがZ1誕生の前に存在したのはご存じだろうか。

それが1966年登場のW1であり、そのルーツとなるのは1960年にメグロ(のちにカワサキが吸収合併)がリリースしたメグロスタミナK1である。

メグロスタミナK1も、その後のカワサキ初となる4ストロークビッグバイクのW1もエンジンはシリンダーが直立したバーチカルツイン。ツインエンジンらしいドドドッという歯切れのいい鼓動感と、低速からの絶大なトルク感が魅力であった。

ただ、あまりの振動の多さに、すでにフリーウェイが発達して移動の際の速度レンジが上がっていた北米では、走行中にパーツが脱落するなどの事態が発生し、人気モデルとはならなかったようだ。

そうだったが故に、世界を目指したカワサキはのちにスムーズで振動も少ない並列4気筒エンジンを搭載するZ1の開発に至ったのかもしれないが、メグロ、そしてW1の特徴的なバーチカルツインエンジンはバイクファンの心と記憶に深く根付いていた。

↑W1のルーツとも言えるのが1960年に登場したメグロスタミナK1。497㏄のバーチカルツインエンジンを搭載していた。写真はメグロを吸収したのちにカワサキブランドで発売されたK2(写真協力:ヤングマシン)

↑アメリカへの輸出を意識して誕生したW1だったが、ビッグツイン特有の大きな振動からそのアメリカで受け入れられずに撤退を余儀なくされた。写真はツインキャブレターを採用したW1S(写真協力:ヤングマシン)

だからこそカワサキは、W1登場から30年以上経った1998年に完全新設計エンジン、それもベベルギヤでカムシャフトを駆動するという複雑なメカニズムを搭載したW1の復刻版ともいえるW650を発表したのである。

ご承知のようにW650は人気モデルとなり、普通自動二輪免許でも乗れるW400も登場。ちょうど時代はSPECや機能装備といった性能一辺倒から、味わいや雰囲気を大切にして、景色やその土地の息づかいを感じながら走ることを楽しむライダーが増えてきた時期でもあった。

W400/650/800、そしてMEGURO K3用ワイバンクラシックマフラーをすべてラインナップしている

このW650/400用に、アールズ・ギアがご用意したのは、耐腐食性能の高いステンレス鋼を使用した左右2本出しのエキゾーストパイプには硬質クロームメッキを施し、サイレンサーにはW1Sから採用されていたキャブトンタイプをチョイスしたワイバンクラシック・フルエキゾーストマフラー。

古き良き時代の雰囲気を再現しながら、現在の騒音規制や排気ガス規制をクリアして、そのうえでビッグツインらしい低速からのビッグトルクとスムーズな加速特性、歯切れのいい重低音のツインサウンドと鼓動感を実現したのだ。

↑W1の復刻版として1998年に登場したW650。ベベルギヤという独特のメカニズムを採用し、クラシカルなスタイルも大きな支持を受け人気モデルとなった

かつて免許を取得したばかりの樋渡は、当時のW1に乗って、ビッグツインらしい鼓動感のある大トルクを体験していて、このW用マフラーを手掛けるときにはそれを実現することを心がけたという。

レーシングライダーとして速く走ることを生業にしてきた樋渡だが、レースを引退してからはさまざまなバイクで全国各地にツーリングに行き、Wのようなバイクで景色を楽しみながら走ることの楽しさを十分満喫してきたから、そういう嗜好のお客様が満足してくれるマフラーを開発したのである。

このW用のワイバンクラシック・フルエキゾーストマフラーのラインナップだが、最初に登場したW650とそれに続くW400、そして~18年までのW800用、そしてMEGURO K3を含む19年式以降のW800用をご用意している。

↑普通二輪免許で乗れるWとして大人気になったW400。このモデルにも、ワイバンクラシック・フルエキゾーストマフラーを用意している

↑排ガス対策で排気量を773㏄までアップして、キャブレター→フューエルインジェクションに変更して2011年に登場したW800。排気量アップに合わせて、W650よりもやや大型のサイレンサーを採用して、歯切れのいいツインサウンドと騒音規制適合を実現

↑2016年モデルでいったん生産を終了したW800だったが、どんどん厳しくなる排ガス規制に対応し、フロントホイールを19→18インチに変更し、リヤブレーキをディスクにするなどの進化・熟成を果たして2019年に登場した現行タイプのW800(写真はストリート)。メイン写真のMEGURO K3はこのW800がベースで、W800STD、CAFEとともに共通のワイバンクラシック・フルエキゾーストマフラーが用意されている。

いずれもマフラーの構成は同じで、硬質クロームメッキが施された美しく高品質なエキゾーストパイプに、同じく硬質ステンレス製の由緒正しいデザインを採用したキャブトンタイプサイレンサーが組合されている。

↑ワイバンクラシック・フルエキゾーストマフラーのサイレンサーは、往年の英国車にそのルーツを持つキャブトンタイプ。歯切れのいいツインサウンドを奏でてくれる。ヒートガードが付かない写真左のクラシカルタイプと、純正のヒートガードを装着可能な写真右の2タイプを用意している

一過性の流行ではない、どんな世の中になっても多くの人に愛されるバイクのスタンダードを体現しているカワサキ・Wシリーズ。

さらに「気分にさせてくれる」ワイバンクラシック・フルエキゾーストマフラーで、アナタの愛車をワンランクアップしてみてはいかがだろう。

<STORY23に続く>